「20世紀のポスター[タイポグラフィ]――デザインのちから・文字のちから」展

 楽しそうだったので行ってきましたよ〜。今月いっぱい開催しているので、文字の造形美に関心のある方は是非どうぞ。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/typograph/index.html
 印象的な展示品ばかりで図録を思わず買いましたが、目を奪われたものを一部ご紹介。何といっても、屈指の出来だと感じたのはアルミール・マヴィニエの「デ・スタイル展」(DE STYL)ポスター(図録72頁)。

http://www.flickr.com/photos/36464802@N05/3643100879
 D は一見「卍」ですが、S の方はスワスティカ(逆マンジ)に見える際どさが良い。この人類最古のシンボルが持っている太古の記憶の喚起力は半端ではない。
 次はカリ・ピイッポ「ハムレット」(図録130頁)。

http://creativereview.co.uk/
 H の部分をずっと見詰めていると、ハムレットの登場人物たちの心の深い闇を覗いているかのようで身震いしました。背景の赤もショッキングで、後ろにいた学生さんらしき二人が「血みたい」と言っていて、ふと思ったのが、この H を M に変えて「マクベス」のポスターにしたほうがふさわしかったのではないかと。

Will all great Neptune's ocean wash this blood
Clean from my hand? No, this my hand will rather
The multitudinous seas incarnadine,
Making the green one red.

(偉大な海神の海であれば、この血を手から洗い流してくれるだろうか。いや、この手のほうが巨大な海を深紅に染めて、碧を赤くしてしまうだろう)
 ハーブ・ルバリンの「ピーター・パイパー」はすごくかわいかった(図録74頁)。

http://f.hatena.ne.jp/chuukyuu/20080704074336
 Peter Piper picked a peck of pickled peppers...というのは英語の早口言葉。全体の構図のバランスといい、配色といい、絶妙でした。(この画像だとちょっとアレですけど、もっと柔らかい色調です)
 日本の作品としては佐藤晃一「竹尾ペーパーショウ1982」ポスター(図録107頁)を紹介したかったのですが、ネットの画像検索で見つかりませんでした・・・(現在スキャナが不調で図録の画像を読み取れないので、各方面から拾ってきています。多謝)