隋書経籍志詳攷から漢書芸文志詳攷、あるいは(新・旧)唐書(経籍志・芸文志)詳攷へ
昨日、古勝先生(xuetui)が『漢書』芸文志の重要性を説かれたことを承けて。
『漢書』藝文志PDF | 学退筆談
日本古代もしくは中国古代〜中世について勉強している人であれば、漢籍に関しては(仏典は別問題。それはまた後日)、興膳宏・川合康三『隋書経籍志詳攷』および矢島玄亮『日本国見在書目録――集証と研究――』(狩谷棭斎『日本現在書目証注稿』、小長谷恵吉『日本国見在書目録解説稿 附 同書目録・同書索引』といった、先行する業績もありますが、やはり完成度が高いのは『集証と研究』)は絶対に必要な本でして、これは手元に置いておくか、近所の図書館に入れてもらうべきもの。
- 作者: 興膳宏,川合康三
- 出版社/メーカー: 汲古書院
- 発売日: 1996/12
- メディア: 単行本
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- 作者: 矢島玄亮
- 出版社/メーカー: 汲古書院
- 発売日: 1984/09
- メディア: ?
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『隋書』経籍志の訳注が出て、すでに十五年。目録学を発展させるべく、そろそろ次のステップに進むことが望まれるところです。ただし、どちらの方向をとるかが問題になります。遡って目録学の原点ともいえる『漢書』芸文志に行くべきか、それとも『旧唐書』経籍志あるいは『新唐書』芸文志の考証を目指すか。余談ですが、両唐書の図書目録の利用に際しては『唐書経籍芸文合志』(台湾・世界書局)が上下二段で相互参照できるようになっていて、最も便利です。
日本古典文学・日本史の研究者であれば『唐書』(新旧)の図書目録の注を求めるに決まっています。しかし、そこがなかなか厄介なところで、漢学の側からすれば、『唐書』の目録がやや杜撰であるというのは常識になっているのです(cf. 内藤湖南「支那目録学」・倉石武四郎『目録学』等)。どうしたものか。
どちらの方向に進むにせよ、日本の Sinologists の本領発揮を期待しています。上から目線で言うな、と叱られそうですけど。