『古人名字解詁』
孔明の字 - 枕流亭ブログ
いつも勉強させていただいているブログで諸葛亮のあざな「孔明」の由来を説いていましたが、こういう時に役立つ本があるのでみなさまにご紹介いたします。というか、こういう時にしか役に立たないので、基本的にあまり役に立たないけど、面白い辞典です。
- 作者: 吉常宏,吉発涵,商務印書館1921年発行《中国人名大辞典》を元に、先秦から清代の人名、出身、字、出処を記述する。筆画索引(繁体字縦組)
- 出版社/メーカー: 語文出版社
- 発売日: 2003/08/01
- メディア: 大型本
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本書(245頁)によると、「孔明」は『老子』(第二十一章)の「孔徳之容、惟道是従」――大きな徳を持つ人(聖人)のありさまは、(世の中の流れに従わず、ひとり)「道」に従っている――の訓詁により(「孔」はここでは「大」という意味)、「孔明」とは要するに「大明」、つまり本名の「亮」(明らか、の意)と同義だとします。
あざなの付け方はいろいろな流儀がありますが、本名と何かしら関係のある語を選ぶというありようが一般的です。孔子の息子「孔鯉」、あざなは「伯魚」(長男なので「伯」)。「曹植」、あざなは「子建」(「植」、「建」ともに「たてる」の意)などなど。
というわけでブログ主さまは「珍説」と謙遜していましたが、額面通り受け取ってはいけないということです。