前田金五郎氏「続『江戸時代語辞典』読後感・寸評」
前田 金五郎氏(まえだ・きんごろう=専修大名誉教授・近世文学)21日午後5時38分、消化管出血のため、東京都大田区の病院で死去、92歳。
http://www.jiji.com/jc/c?g=obt_30&k=2013022600734
- 作者: 大野晋,佐竹昭広,前田金五郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1990/02/08
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 11回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
その前田氏に、『江戸時代語辞典』(角川学芸出版)の書評がありまして、昨年刊行された『思い出雑記帳』(勉誠出版)に収録されています。
CiNii 論文 - 潁原退蔵著・尾形仂編『江戸時代語辞典』読後感・寸評
- 作者: 前田金五郎
- 出版社/メーカー: 勉誠出版
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
本事典の読後感・寸評前稿では、スペース増大の懸念から、「あ」の部のみ詳しく寸評し、「い」の部以下は極少の語彙のみ寸評したが、折角三ケ月余調査したので、「あ」の部同様詳しく寸評を加えた方が、読者諸氏にも有益だろうと、今ここに執筆する気になり、以下寸評を記述すること左の如くである。
(145頁)ということで、以下227頁まで、『江戸時代語辞典』「い」以降の項目について検証を加えます。御自身が関わった『岩波古語辞典』の記述と比較し、この語は『岩波古語辞典』に採録されているのに『江戸時代語辞典』にはない(「不載」)、この語義説明は『岩波古語辞典』の記述の方が正確である云々というのがその主たる方法です。
(185頁)どこでもいいのですが、どの箇所もこのような調子。「ふ」以降になると、記述に対する批判がほとんどなくなり、『江戸時代語辞典』に不載の語を列挙することが中心となって、さらに幻惑的になります。いろいろと感じるところがあります。
筆者のように九十歳の坂を越えた者は、最早御手伝いは出来ないが、若い後学はこぞって、『江戸』の大増補改正の事業に参考するのが、近世文学者の義務であろうと、深く信じて筆を措く。
(227頁)