入門用SFか・・・

 あ、id:icchan0000 さんからのトラバ(2007-03-28 - 無造作な雲)に気づかなかった・・・。人力検索にこういう質問が出ていたんですねぇ。

SFの世界に飛び込もうとしている私に入門用べストテン
(別に10でなくてもいいです)を教えてください。
名作というよりは、古典・定番・有名とか元ネタになっているとか
後進に影響を与えたとかそういう観点でお願いします。

作家ベストテンでもいいです。
箇条書きでかまいません。
現在購入できるSF入門書とかでもいいです

http://q.hatena.ne.jp/1174985814

 回答で挙げられている作品はほとんど読んだことあります*1が、紹介文を読むとみなさんそれぞれ強い思い入れがあることが見受けられ、私も心が躍りました。
 本来なら全部に茶々を入れたいのですが、厳選(?)して。

宇宙の戦士

 ハインライン『宇宙の戦士』を読むなら、ホールドマン『終わりなき戦い』をセットで読むといいでしょう。第二次世界大戦従軍者(ハインライン)とベトナム戦争従軍者(ホールドマン)の違いが際立ちます。

われはロボット

 「〔決定版〕」が出ていたのか。読まねば。

地球幼年期の終わり

 創元社が出した翻訳の邦題には「地球」がつくのですね。改めて言うまでもない名作です。ただし、SFバカの私はほかの一般教養(クラシック音楽など)に欠けるので、この作品を十分に理解したかどうか自信はありません。

百億の昼と千億の夜

 日本SFの金字塔。興福寺の阿修羅像が好きな方にオススメ。萩尾望都の漫画版も良かった。光瀬龍なら『たそがれに還る』も読んでみてください。

ローダン

 このシリーズには手を出さないほうがいいでしょうw

ハイペリオン

 「入門用」という質問の趣旨に合っていないと思います。もちろん、初心者が読んでも十分に面白く感じると思いますが、SFをいろいろと読んだ上で『ハイペリオン』を読むと、思わずニヤリとする箇所が多いです。

明日にとどく

 クラークはSF短編の名手です。少なくとも、邦訳されているものは全て読むことをオススメします。参照:http://d.hatena.ne.jp/consigliere/20040810

ファウンデーション

 私がSF狂いになったきっかけのシリーズですね。大学に行ったら歴史心理学を専攻できる。そう思っていた日がかつて私にもありました・・・w 
 『ファウンデーションと地球』を読み終わった後の爽快感は忘れられない。『ファウンデーション』三部作と『鋼鉄都市』を夢中になって読んだ過去の自分と現在の自分がキレイに繋がって感涙を流しましたよ。

果てしなき流れの果てに

 そうそうそう!よく分かってらっしゃる!「日本沈没」が日本SFの最高傑作だなんて、小松氏に対して失礼ですよね。

都市と星

 ようやく名前が出ました。クラークの長編のなかでは、『幼年期の終わり』と『2001年』は別格として、良い方だと思います。『宇宙のランデヴー』は過大評価だという気がしてなりません。

メルニボネの皇子

 ストームブリンガー!懐かしいなぁ。救いのない話ですが、天野喜孝のイラストとともに忘れがたい作品ですね。「コルム」シリーズも読んでみてください。でもSFというジャンルではないだろw
 時間もないのでそろそろ切り上げようw
 それから、ギブソンやディックやホーガンの作品もいくつか挙がっていますが、『ハイペリオン』と同様にちょっと入門者にはとっつきにくい感じは否めませんね。最後のid:ikjunさんのコメントにある、

「入門者にはお勧めできないSFベスト10」もやってみるといい。ここにあがっている作品からもそうとう選ばれると思う。

は、その通りでしょう。アシモフ・クラーク・ハインラインから入る、というのが素直でしょう。
 というわけで、全く名前が挙げられていない(見落としていなければ)人のなかでは、もう今ではひょっとすると忘却された作家なのかもしれませんが、ロバート・シェクリィの短編集、どれでも良いのですが、例えば『人間の手がまだ触れない』とかをオススメします。
 あと、こういうのをリストアップすると、J・G・バラードの作品(『結晶世界』とか)を挙げる人が必ずいたものなのですが、見当たりませんね。いずれ忘れ去られる作家になってしまうかもしれません。

*1:日本人作家の作品を除いて