憲法十七条と十七条憲法

 馬や酒以外のネタは大抵日々の雑談のなかから拾っていますが、これもその一つ。
 「憲法十七条」と「十七条憲法」と、どちらも一般に呼び習わされているけど、何が正式な呼称なのか、ということですが、どちらでもいいのでは?というのが私の答えです。
 たしかに『日本書紀』(推古十二年四月)には、

夏四月丙寅朔戊辰、皇太子親肇作憲法十七条。

とありますから、八世紀の段階では「憲法十七条」が公的に認められた呼び名のようです。だから、

まず、「十七条の憲法」という表現は誤り。正しくは「憲法十七条」。

http://okwave.jp/qa2222181.html

↑この回答者の気持ちもわからないではないのですが、しかし、十一世紀頃までには成立していたと考えられる、聖徳太子の伝記『聖徳太子伝暦』では、

因録十七条憲法、并天皇国記等、以先年奉進。

とあって(推古二十七年四月)、「憲法十七条」とともに用いられています。
 「十七条憲法」の由来も相当古いのですから、どちらでもいい、と考えています。