書き忘れ

   あとがき
数多くある詩の中から限られた詩を選ぶに際しては、種々の焦点の当て方が考えられるが、本書では、全体を通読して頂くことによって、初唐という時代の歴史的な背景がお分り頂けるように配慮したつもりである。
盧照隣の長安古意と駱賓王の帝京篇の取捨については随分と迷ったが、種々の意味で取り上げることとした。結果、選ぶべき他の詩に累を及ぼした点は御諒承頂きたい。
テキストについては、各人それぞれに種々の刊本があるため、統一をはかる意味で、「全唐詩」によることとした。
初版の刊行の際、何らかの手違いで、あとがきを書くのを忘れたため、今回特にお願いしてつけて頂くことにした。終わりに、小林美枝子さんを始め、いろいろとお世話になった方たちに深甚の謝意を表します。
  昭和五十六年二月
                         著者記

前から「変だなぁ」とは思っていました。やはり、新しい刷りが出たら参照するに越したことはない。→『上宮聖徳法王帝説』(第三刷)・付正誤表 - Cask Strength

田森襄『中国の名詩鑑賞4 初唐』(明治書院 1975年)