はるくさのはじめのとし・・・

http://www.asahi.com/culture/news_culture/OSK200610120063.html

 大阪市中央区難波宮(なにわのみや)跡で、7世紀中頃のものとみられる、日本最古の万葉仮名(まんようがな)文が書かれた木簡が見つかったと、大阪市教委と市文化財協会が12日、発表した。(中略)
 万葉仮名は主に漢字1字を1音にあてて日本語を表記した文字で、万葉集で使われていたことで知られる。今回、出土した木簡は、長さ18.5センチ、幅約2.65センチ、厚さ5〜6.5ミリ。丁寧に削られた片面に、墨で「皮留久佐乃皮斯米之刀斯」の計11字が書かれていた。12字目をわずかに残して、下部は欠けた状態だった。
 国語学の専門家は「はるくさ(春草)のはじめのとし」と読む可能性が高いと指摘。「春草の」は万葉集で枕詞(まくら・ことば)として使われており、文は五・七音を重ねた韻文の可能性が高く、和歌とみられる。

 「皮」という字を「ひ」と読まずに、なんで「は」と読むの?と疑問に思った方は、犬飼隆「万葉仮名「皮」」(『木簡による日本語書記史』第6章)をご一読下さい。

木簡による日本語書記史

木簡による日本語書記史

 それはともかく、この朝日の記事は少し妙なことを書いていまして、

 「万葉仮名文は7世紀末ごろに柿本人麻呂が完成させた」とする説にも再考を迫るものとなる。

 一体誰がそんな説を唱えているのですか?