単位「尋」が書かれた木簡
ついさきほど知りましたが。
木簡:布の長さ「尋」記載 茨城で出土、東日本で初
茨城県教育財団は23日、同県つくば市島名の「島名熊の山遺跡」から出土した木簡に、当時近畿地方にあった都で使われていた布の長さの単位「尋(ひろ)」の記載があったと発表した。東日本で、この記載がある木簡が出土したのは初めてという。 http://mainichi.jp/enta/art/news/20120224ddm041040073000c.html
古代の常陸国は武蔵国と並んで布(調布)の貢納が多かった土地ですから、出土すべくして出土した感じですね。
筑波嶺に 雪かも降らる いなをかも かなしき児ろが 布ほさるかも
(万葉集巻14・3351)――筑波山に雪でも降ったのだろうか。違うのかな、どうなのかな。いとしいあの子が布を干しているのかな
畿内で出土したものとしては、たとえば飛鳥池木簡の http://mokuren.nabunken.jp/Scripts/StrieveW.exe?A=CARD&M=&ID=27064&L=1&S=S54009896161144 (奈文研のデータベースより。無断転載は不可のようなので、各自お確かめください)。
ちなみに、話は変わりますが、この木簡の「菩薩」は「ササ」という字(抄物書きを覚える歌 - Cask Strength)になっていて、これは「「菩薩」の合成略体字で、本例が最古の用例となる」(奈良文化財研究所編『飛鳥藤原京木簡一 飛鳥池・山田寺木簡 解説』121頁)。