菅原道真の末裔歌手

 「世界ふしぎ発見!」の今のエンディングを歌っているのが Metis という歌手でして、

 菅原道真の末裔にあたるという。家系図原子爆弾によって焼失しており、祖母が菅原道真の家系であることを明かすまで本人も知らなかったという。しかし、現在子孫であるという物証は残っておらず、祖母の発言だけが子孫であるという根拠に過ぎない。

http://ja.wikipedia.org/wiki/Metis

だそうです。どうでもいいのですが、当の菅原道真は、音楽は大の苦手だったということはあまり知られていないかもしれません。比較的若い頃の作品である「停習弾琴」(弾琴を習うを停む)詩、

偏信琴書学者資
三余窓下七條糸
専心不利徒尋譜
用手多迷数問師
断峡都無秋水韻
寒烏未有夜啼悲
知音皆道空消日
豈若家風便詠詩

――音楽と読書は学者の助けになるとひたすら信じ、暇があれば(本を読むはずの)窓の下で琴の練習。しかし専念しても上達せず、楽譜に頼るばかりで、手の動きを工夫しても迷うことが多く、先生に何度も質問してしまう。曲を弾いても、澄んだ音色を出すことも、悲哀の情を表現することもできない。音楽を理解する友人はみな言ってくれる、時間の無駄だと、学業もて詩を作るのに比べれば、音楽は遠く及ばないよ、と。(だから琴を習うのをやめたんだよ)――
 晩年、大宰府で作った詩(「詠楽天北窓三友詩」)のなかにも、

白氏洛中集中巻
中有北窓三友詩
一友弾琴一友酒
酒之与琴吾不知

――白楽天の『洛中集』十巻のなかに「北窓三友」詩がある。一人の友は琴で、もう一人の友は酒だという。しかし、酒と琴はわたしには縁がないものだ・・・――、と。