『源氏物語大辞典』の附録「逆配列項目表」が便利

 今さらですが。

源氏物語大辞典    

源氏物語大辞典    

 本書の一番の眼目は、実は附録の「逆配列項目表」だと感じました。

本辞典に掲出した全項目を、後ろから読んで五十音順に並べたものである。
たとえば、「清やか・高やか・近やか」など「やか」で終わる語、「聞こえ置く・見え置く・書き置く」など「置く」で終わる語などが一覧できる。

 要するに逆引き辞典として使えるのです。これは便利(少し見づらいですが)。ずっと長いこと「逆引き古語辞典」のような物が欲しかったので(※不勉強な若輩者なので、ひょっとしたら既にそういうものが刊行されて広く利用されているかもしれません。灯台下暗し・・・。もしそうでしたら、是非とも御教示ください。)。総合的な古語辞典でこのような試みがあったら良いな、と願望。
 複合語や接尾辞の要素を検索できるようにした辞典といえば、たとえば『時代別国語大辞典 上代編』(asin:4385132372)等があって裨益すること大きいのですが、完全に一字ずつ逆から検索できるのは他に例が思い当たりません。

(『時代別国語大辞典 上代編』「ゆく」の項。「=」は立項されている語を示す。なお、巻末の索引や、『萬葉』誌に連載された蜂矢真郷氏「『時代別国語大辞典上代編』語末索引稿」(一)〜(十)も必見です)
 時代別上代編のようなかたちで検索できる方が圧倒的に利用しやすいものの、そこには編纂者の解釈と整理が加わっています。逆引きは少々難渋しますけど、読者の側で思いがけない発見や閃きを引きだす可能性を秘めているのではないでしょうか。
【追記】http://twitter.com/viewfromnowhere/status/131213371700809728 丹羽一彌・田島毓堂共編『日本語尾音索引:古語篇』、今度チェックせねば。