アラブの賢人

 ジュースを50本飲むには何本買えばいいか: Phinloda の裏の裏ページ
 コメント欄の「解答」がw
 この話柄で思い出したのが、「アラブの賢人」*1ネタです。別にどうってことはないのですが、小学生あたりのこどもに話すと結構感心してくれるレベルのものなので、是非どうぞ。


 ある日、アラビアのある牧草地で男が亡くなりました。
 男には三人の息子がいたのですが、息子たちは遺言状を読んで途方に暮れてしまいます。
 そこに、ラクダに乗ったアラブの賢人がどこからともなく現われました。
 「お困りの様子ですが、どうしたのですか?」
 三人は賢人に敬礼し、長男が兄弟を代表して答えました。
 「父が先日亡くなったのですが、その遺言状を読んでみたところ、『遺産のラクダは以下のように分配すべし。長男には1/2の数の、二男には1/3の数の、末子には1/9の数のラクダを分け与える』と書いてありました。しかし、」長男は放牧地を指さし、「御覧の通り、父が持っていたラクダは17頭なのです。1/2、1/3、1/9、どれも分けることはできません。そこで困り果てていたのです」


 さて、アラブの賢人はどのようにしてこの難題を解決したのでしょうか?


 解答は以下の通り。


 話を聞いた賢人はただちに、
 「それでは、あなた方に私のこのラクダをあげよう」
 と言いました。兄弟たちは慌てて、
 「賢人さま、それはちょっと・・・」
 「これでラクダは18頭。長男は1/2、つまり9頭。二男は1/3の6頭。三男は1/9の2頭ということになるな」賢人が手際よく差配すると、あら不思議。9頭+6頭+2頭で、合計17頭・・・。
 「それでは、私のラクダを返してもらうことにしよう」
 あっけにとられている三人兄弟を背に、アラブの賢人は自分のラクダにまたがって悠然とその場を立ち去りました。

*1:なぜアラブかといえば、ラクダという小道具が出てくるから、というのはもちろんそうなのですけど、その背景には、代数学(algebra)など数学が優れて発達した地域というイメージがあるのは間違いないでしょう。このアラブの賢人、ほかの算数ネタでもたびたび登場します。