好文木

 東京で梅が開花という一報を耳にして、本当かなぁと庭の梅を見てみたら、一輪咲いていました!

・・・唐の帝の御時は、国に文学盛んなれば、花の色を増し、匂ひ常よりまさりたり、文学廃れば匂ひもなく、その色も深からず、さてこそ文を好む、木なりけりとて梅をば、好文木とは付けられたれ。

(「老松」)
――すなわち梅は 唐土の帝の御時、国に学問が盛んであれば、花の色は美しさを増し、常よりすぐれたる匂いを放ち、反対に 学問が衰えると 匂いもなくなり、花の色も美しさを減じた。それだからこそ 文を好む、木であるとて 梅をば、好文木と名づけられたのだ。(新編日本古典文学全集『謡曲集 1』81〜82頁)
 今年の我が国の文運を占っておくれ、好文木よ。