魔法千字文

 暑かったですけど、今日は漢文大系『左氏会箋』を手に入れることができたので心地よい汗でした。
 さて、雑談を通じて初めてこの存在を知りましたよ。面白いのでみなさまも元記事を御覧になってください。

 ハングル文字を重視してきた韓国で、静かに“漢字復活”の動きがある。楽しみながら漢字を学べる小学校低学年向けの学習マンガ『魔法千字文』シリーズが大ヒットしているのだ。漢字の魔法を武器に主人公のソン・ゴクウ(孫悟空)が大暴れするストーリーが人気で、既にテレビアニメ化も決まった。
 戦う相手を小さくするには「小」、火で攻めてきた相手には「風」。一つ一つの漢字を魔法の呪文として使い、サル族のボス、ソン・ゴクウが次々と怪物や悪党を倒していく。主人公を応援しながら読み進むうちに自然と漢字の意味や読み方を覚えられるのが、『魔法千字文』シリーズの特徴だ。

http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201008300100.html

 いろいろと思うところが出てくる記事でして、「韓国にはなかった「学習マンガ」という新しいジャンル、市場も生み出した」というのも興味深いのですが、「火で攻めてきた相手には「風」」というのはちょっと危険な知識を教えているようで不安になりますw(赤壁の戦いじゃないんだから・・・) 生活の知恵としても、五行相克説としても、火には「水」で対処してほしいw
 それにしても『魔法千字文』に慣れた韓国の子どもたちが本家の『千字文』を見たら面食らうのではないでしょうか。

 (清原家に伝来した『纂図附音集註千字文』) 冒頭の「天地玄黄」というのが『千字文』の本文で、小さい字で「易云、天玄而地黄。言、天之色玄、地之色黄也・・・」とあるのは注です。古典時代の人にとって『千字文』は単なる習字のお手本なのではなく、このような注を通じて基礎的な知識も得ていたということになります。