「蘭亭序」の「之」字一覧

 王羲之の名品「蘭亭序」のなかで最も多く使われている字は「之」ですが、三百字強の文のなかで二十箇所出てくるのですから、もともと頻用される字であるとはいえ、やはり多いという印象ですよね。
 ただ、私は正式な書道の稽古を全くしていないので気づかなかったのですが、王羲之はそれぞれの「之」のかたちに変化を加えて書いているらしい。何度も見ている作品なのに、そのことに思い至らなかったというのは鑑賞眼がなさすぎで反省することしきり。(ほかの字はともかく「之」にはなかなか着目しないと思うが・・・)

 凡二十八行、三百二十四字、有重者皆構別体。就中「之」字最多、乃有二十許個、変転悉異、遂無同者。

(何延之「蘭亭記」、『法書要録』巻三)――(蘭亭詩序は)28行、324字。重複して用いられる字*1は別体にしている。なかでも「之」字は最も多く使用されており、すべて二十個変わりうつること全てそれぞれ異なり、同じものはない。
 序は全体の構図が素晴らしいので、以下の試みは素人ながら邪道だと思うのですが、せっかくそう指摘されているので、二十例を容易に見渡せるように並べてみたよ。実感できるかな。
 全体:http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/f1/LantingXu.jpg



















*1:ほかにも「不」7箇所、「為」4箇所、「感」3箇所など