2012-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「京都地誌データベース」所収書目

便利なものができました。 京都地誌データベース 現時点で何が収録されているか、独自に確認してみましたよ。以下がその一覧です。なお、利用者の便を考えて、『新修京都叢書』(臨川書店)に翻刻が収められているものについてはアステリスクを付けておきま…

本棚メモ

東アジアの漢籍遺産―奈良を中心として作者: 河野貴美子,王勇出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2012/08/01メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブログ (1件) を見る萬葉集全歌講義〈8〉巻第十五・巻第十六作者: 阿蘇瑞枝出版社/メーカー: 笠間書院…

活字体のように書く必要はあるのか――「結」の場合

こういうことでテレビ局にわざわざ電凸して文句を言う人たちの気が知れない。 「テーマになった『団結』の文字について、かなりの問い合わせが来ていたようです。フジの番組が団結し、視聴者とも団結するという趣旨で、総合司会のタモリさんが自ら筆でしたた…

「『武蔵』を『ムサシ』と読むのは無理がありませんか?」

以前、地元の話題で盛り上がっていた時に受講生の一人が述べたことでして、これは全くその通りなのです。 つまり、「武蔵」が、音を表記したもの(音仮名)として「ムサ」「ムサウ」とは読めるかもしれないけど、最後の「シ」はどこにもないだろう、という指…

古い字謎の詩、孔融「郡姓名字詩」

古代中国の字謎といえば、曹操の、例の「黄絹」云々が有名ですが、同時代の孔融に離合の技巧を極めた詩があって、完成度自体はこちらの方が高い。 漁父屈節、水潜匿方。 与時進止、出行弛張。 呂公磯釣、闔口渭旁。 九域有聖、無土不王。 好是正直、女回于匡…

アマテル

天照大神を「アマテラス」ではなくて「アマテル」とよんだ比較的古い例は、『更級日記』、『古今和歌集』仮名序の古注、『日本紀竟宴和歌』左注(↓画像)などがあって、平安末には普通にそう呼ばれていたのだとは思います。 (「あまてるおほかみ」、『本妙…

本棚メモ

和歌史のなかの万葉集作者: 阪下圭八出版社/メーカー: 笠間書院発売日: 2012/07/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る語形対照 古典日本語の時間表現作者: 鈴木泰出版社/メーカー: 笠間書院発売日: 2012/07メディア: 単行本 …

日本書紀円威本翻刻の疑問点二、三

國立臺灣大學圖書館典藏日本書紀影印·校勘本 1 圓威本 /臺灣大學典藏全文刊本 精装 〔日〕是澤範三 山口真輝 主編 洪淑芬 翻譯 出版社:國立臺灣大學圖書館 出版年:2012年01月 コード:363675 297p 27cm ISBN/ISSN 9789860315714 http://www.toho-shoten.…

久しくあるべし、Cask九年目

ブログを始めた時は、いつやめてもいいや、忙しいし、くらいの軽い気持ちだったのですが、九年目に突入するとさすがに愛着というか執着の心が強く、死ぬその時まで書き続けてやろうかとふと思ったりもします。 正直なこと言うと、いろいろなことで、ブログな…

本棚メモ

論集上代文学〈第34冊〉作者: 萬葉七曜会出版社/メーカー: 笠間書院発売日: 2012/07/01メディア: 単行本この商品を含むブログを見る和泉式部集全釈 正集篇作者: 佐伯梅友,小松登美,村上治出版社/メーカー: 笠間書院発売日: 2012/07メディア: 単行本この商品…

「日本書記」はまとめて直したほうがいい、と、その他注意喚起

今までも何度もちょこちょこと注意喚起してきましたが、ウェブ上で検索できる文献目録の弱みというのは、最初のデータ入力が間違っていたらその論文や著作は検出できなくなるということです。せっかくの学問リソースが手に入らないわけですから、これによる…

地ビールと肉

気が向いたら(不定期に)写真を晒していくということで!まあ、読者のみなさんには楽しくも何ともないでしょうけどorz 到着したその日に地ビール飲めるお店に案内してくださいました。さすが私の嗜好をよくわかっていらっしゃるw 全部美味しくいただきまし…

羆を「白熊」と解することについて

飛鳥時代に唐からパンダが送られた、とする珍説を紹介する文。おもしろかったです。 http://syulan.sakura.ne.jp/200706/panda.html 3.ヒグマと白熊(パンダ) 第三に、ヒグマとパンダ。ヴェントさんが「生羆」を「白熊」と誤読したという可能性は、「生きた…

本棚メモ

伊藤正義中世文華論集〈第1巻〉謡と能の世界〈上〉作者: 伊藤正義,天野文雄,三木雅博,大谷節子出版社/メーカー: 和泉書院発売日: 2012/07メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (1件) を見る ようやく刊行開始ですね!首を長くして待っていま…

「奇特」を「キドク」とよむこと

少年ジャンプで浸透? 「奇特な人=変なやつ」という間違い|ライフコラム|NIKKEI STYLE 元記事はなかなか興味深かったです。 さて、これを機に「奇特」を実際に辞書で引いてみた方も多かったでしょう。多くの国語辞典は「きとく」という読みで立項している…

学位請求論文口述審査での "Snake Fight" についてのFAQ 

FAQ: The “Snake Fight” Portion of Your Thesis Defense - McSweeney’s Internet Tendency のざっくり和訳です。 外国と日本、あるいは学部によっても仕組みは異なると思いますが、まあ細かいことはさておき、これから口述審査に立ち向かう候補生には参考に…

本棚メモ

圭峯宗密思想の綜合的研究作者: 胡建明出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2012/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る仏像のかたちと心――白鳳から天平へ作者: 金子啓明出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/07/04メディア: 単行本この商品を…

「寸陰」と「分陰」

ぼんやりしていて今まで気づかなかった当たり前の事実に気づいた時の「なんてこったw」感はいつも何ともたまらないのですが、ついさきほども『晋書』陶侃伝を読んでいて、その気持ちを味わいまして。 常語人曰、「大禹聖者、乃惜寸陰。至於衆人、当惜分陰。…

実習ネタ(2)・番外編

この753頁の赤枠線内に少々びっくりすることが書かれています。 実習ネタ(1)*1もそうなのですが、専門家の著作であっても、このようなことが堂々と書かれて公刊されているのだという恐ろしさを学生さんたちに伝えたかった(時間が足りなくて今回は実習(2)ま…

本棚メモ

御無沙汰しました。九条家本延喜式〈2〉 (東京国立博物館古典籍叢刊)作者: 東京国立博物館古典籍叢刊編集委員会出版社/メーカー: 思文閣出版発売日: 2012/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る奈良仏教と古代社会―鑑真門流を中心に作者: 冨…

O Canada

帰国

無事に戻ってきました!土産話はまた後ほど!