謹賀新年

Freer/Sacklerのコレクションの一部が無償で利用可能になったので、新年にふさわしい名宝を。 (俵屋宗達「松島図」 http://www.asia.si.edu/collections/edan/object.cfm?q=fsg_F1906.231-232) 明けましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願…

ツルシノブ

庭木に蔓が絡まっている!と気づいてよく見たら、かわいらしい葉を持っていて可憐な印象。 「ツルシノブ」だそうです。知らなかった。庭に生えたことは今までなかった。 それにしても、wikipediaでは「カニクサ」の項が立てられていますけれど、明らかに「ツ…

ホタルブクロ

ホタルブクロが咲いているのを発見したよ!うちの庭で見かけたのは初めてだー。 こんにちは、あなたはどこからやってきたの? 名の由来には二説あって、有力なのは、子供がこの花のなかに蛍を入れて遊んだことからというもの。さもありなん。たしかに小さい…

ビヨウヤナギ

先日の キンシバイ - Cask Strength でも言及した、キンシバイ君に似ているビヨウヤナギ君。今日初めて気づいたのですけど、勤務先の目立たない一角で華麗に花を咲かせていたよ! ビヨーンと雄しべが長いのでビヨウヤナギ。←嘘 帰来池苑皆依旧 太液芙蓉未央…

キンシバイ

出勤途中、風に乗って甘い芳香が漂ってきたので、「あ、もうクチナシが咲いたんだ!」とそっちに向かっていったら、クチナシ君たちに会う前に、キンシバイ君とばったり!思いがけない、嬉しい出会い。 キンシバイはビヨウヤナギと似ているのですけど、雄しべ…

「星を賣る店 クラフト・エヴィング商會のおかしな展覧会」展示作品と既刊書所載図版との対照一覧

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日本書誌学大系『増訂 新編蔵書印譜 上 【ア〜ソ】』

『新編蔵書印譜』の増訂版が刊行されました。篆刻はロクに読めないくせにハンコが好きなので、楽しく拝見しています。 日本書誌学大系 増訂 103−1 新編蔵書印譜 上 ア−ソの通販/渡辺 守邦/後藤 憲二 - 紙の本:honto本の通販ストア 一、旧版はA4判一冊で…

センター試験に出題された『源氏物語』「夕霧」のくだりの直後の場面を描いた源氏絵 @和泉市久保惣記念美術館

センター試験で源氏物語という「超大物」から出題されたということで話題になっています。 http://sankei.jp.msn.com/life/news/140118/edc14011808000001-n1.htm 深刻な場面なのですが、夕霧は根が真面目なものですから、「あやしう中空なるころかなと思ひ…

武蔵野書院創立95周年記念絵はがき拝受しました

武蔵野書院さんから『武蔵野文学』61号(武蔵野書院創立95周年記念号)を頂戴したのですが、「創立95周年記念絵はがき」(7枚)が同封されていたよ。ありがとうございました。 土佐絵源氏物語画帖・伝藤原為家筆『源氏物語』大四半切・伊勢物語貼交屏風(い…

西こそ秋のはじめなりけれ

秋になるといつも狙っている写真の構図があるのですが、とても撮影に成功できそうもなく、なかば諦めています。 貞観の御時、綾綺殿の前に梅の木ありけり。西の方にさせりける枝のももぢはじめたりけるを、上にさぶらふをのこどものよみけるついでによめる …

ハナミズキの実

Every woodland tree is flushing like the dogwood...というような紅葉はまだしてませんけど、赤く熟した実が、秋が来たよ、と伝えてくれた。

『古今文字讃』と『百体千字文』

国立国語研究所の所蔵する『古今文字讃』のデジタル画像が試験公開 | カレントアウェアネス・ポータル 文字やデザインに関心がある方々は胸熱になったでしょうけど、もしこういうのがお好きなら、清・孫枝秀『百体千字文』(康煕二四(1685)年序)も必見で…

富岳風穴・青木ヶ原樹海・鳴沢氷穴

せっかくの三連休だったのに、台風でどこにも行けなかった!という方も多いでしょう。そこで、先日、避暑のために行ってきた国指定天然記念物の富岳風穴と鳴沢氷穴をご紹介します。旅行気分を味わってくだされば(←余計なお世話)。 JR中央線大月駅から富士…

第19回 秘蔵の名品 アートコレクション展

今年もこのチャリティーイベントに参加しました。 http://www.hotelokura.co.jp/tokyo/special/art2013/ 会期は明後日まで。ギリギリに駆け込んだのは、月末締切の仕事があったためで・・・。というわけで、関心のある方は明日覗いてみてはいかがでしょうか…

雨後の茸

さきほど気づいたのですが、庭にかわいらしいキノコが群生していたよ!菌類に関しては無知なので、名前はわかりません。食べられるかな?(食用だとしても口にはしないけどw) 雨後の筍(たけのこ)ならぬ、雨後の茸(たけ)。 ただのダジャレだよ、と書こ…

馬を長城の窟に飲ふ(小杉放菴「飲馬」) 

日光市は、市出身の画家・小杉放菴(一八八一〜一九六四年)の初期の代表作「飲馬(いんば)」を、神奈川県の個人所有者から購入した。購入額は千八百五十八万五千円で、市の絵画の購入額としては過去最高。小杉放菴記念日光美術館(同市山内)で二十五日ま…

コピペ翻刻

コピペレポートは昨今話題になっていて周知の問題ですが、たまに気になるのが、「コピペ翻刻」。私の勝手な造語ですが、私も含めて誰もがやっていることに名前をつけただけです。 古典籍を扱った展覧会の図録や週刊誌の釈文に誤脱が割とある、と気づいたこと…

孫過庭の真蹟『書譜』が来年トーハクに来る

日刊紙「自由時報(ザ・リバティ・タイムス)」は、日本を訪問した王立法院長のコメントとして、「東京で行う故宮博物院の展示会について、貸出す品がほぼ決定した」と伝え、「日本から希望のあった最重要文物は4点。郭熙の「早春図」は断り、孫過庭の「書譜…

ヒヨドリの雛

2週間ほど前に、家のすごい近くでヒヨドリが甲高い声で鳴いているのが聞こえたので、ちらっと見てみたら、庭の松の枝にヒヨドリのヒナが3羽いました! 多分、巣立ったばかり(巣の位置は残念ながらわかりませんでした)。親鳥に警戒されないように近づいて、…

洋館巡り

猛暑できつかったですけど、山手周辺の洋館を案内してまわりました。何年ぶりだろうか。 洋館の素晴らしい外観・内装はいろいろな所で大量に紹介されているので、今回はちょっと違う視点で。 イギリス館に向かう途中で。ハマナスの実は初めて見た。 「違う視…

『167人のイラストレーターが描く 新版 今昔物語』

167人のイラストレーターが描く 新版 今昔物語作者: 守谷茂泰出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/05/22メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る 宇野亜喜良氏や和田誠氏、灘本唯人氏といった大御所と、新進気鋭のアーティストによる面白い企画…

白画臥牛

上海古籍出版社・法国国家図書館編『法国国家図書館蔵敦煌西域文献 33』(上海古籍出版社、2005年)に出てくる彩色図版がちょっとかわいかった。 (P四七一九「白画臥牛」)この頭絡の丸い飾り、昔の敦煌ではどういうものを付けていたのでしょうねー

春景

昨日は都内某所へ花見に。見ごろにはあと一歩という感じでしたけど、ソメイヨシノはだいぶキレイに咲いていました。 もう明日には満開という所も結構あるのでは。 桜花、木の暗茂に。 しだれざくらを内側から見るとまるで花のカーテンですね。 途中見かけた…

霞吹きとけ このめはる風

出かける前に庭に目をやったら、木の芽はる風に誘われていたブルーベリーが若葉を広げていたよ。 (帰る雁 雲路にまどふ 声すなり 霞吹きとけ このめはる風 後撰集・春中・よみ人しらず) 柿太郎も芽吹いてきたし、本当に春ですなぁ。

歌の途中で切れる古筆切

後藤重郎氏旧蔵書が名古屋大学附属図書館に後藤文庫として入っていて、そのうち古筆切120点全てが電子化されて公開されていることを先日教わりました。さっそくブクマしました。 http://info.nul.nagoya-u.ac.jp/cgi-bin/wakan/wa.cgi?q=%E5%BE%8C%E8%97%A4%…

王羲之の書簡に登場する「大」(王邵か)一覧

内容は「(便)大報期転呈也。知/不快。当由情感如佳。吾/日弊。為爾解日耳」と読み取れ、「大(親類の名)に関するしらせは、期(き)(羲之の子の名)が連絡してきました。ご不快のご様子。心の赴くまま、情感に従うのがよろしいかと存じます。私は日々…

西洋絵画を鑑賞する時の視線の動き

素人の気楽さから 絵画中の時間の流れ - Cask Strength の続きを書こうと思うのですけど、わたしたち(東洋人)は縦書きの右→左という書字方向の圧倒的な規制下にあるので、絵巻物や漫画に限らず、絵画一般を右から左に視線を移動させて鑑賞していますよね。…

絵画中の時間の流れ

漫画の左右の向きの研究史 - ピアノ・ファイア これと似たネタは私も授業で取り上げています。 これが西洋版の「人生の階段」 (File:Talamantes Steps of life (male).jpg - Wikimedia Commons)時間の流れは左から右。 これが日本(『熊野観心十界曼荼羅』…

私にカリンの実をくれたかた、お礼に美しい玉をあげましょう

昨日は季節の便りのような記事を書いたので、その流れで。 カリンの実が熟してきたよ。あともうちょっとだな。 風で落ちてしまったものは傷む前にホワイトリカーに漬けてカリン酒に。 持っただけで手に香りが移る。好きなアロマの一つです。 我に投うるに木…

燕沢碑(蒙古之碑)の字体

木崎愛吉『大日本金石史 第二巻』*1330〜333頁に「燕沢碑」という石刻が紹介されています。 (大日本金石史. 第2巻 - 国立国会図書館デジタルコレクション) 拓本の写真を拡大すると以下の通り。まあ奇妙な字体です。 解説(330頁)に言うところの「離合体…